2016年までに担当した劇伴音楽の情報まとめ

2016年までに担当した劇伴音楽の情報まとめ

浅草六区ゆめまち劇場http://yumemachi.jp/ )で複数の演目の劇伴音楽の制作を担当してきました。

今や、

「浪花のモーツァルト」

ならぬ、

「浅草のキダタロー」

とすら呼ばれています。ありがとうございます。

 

曲もたまってきましたので、作った楽曲を集めてダイジェスト動画なりCDなり作ろうかと思っているのですが、その前に振り返ってみたいと思います。

制作裏話や個人的なコメントと合わせて、どうぞ;

 

1.『Gilles de Rais~ジル・ド・レ episode I 残光のリフレイン~』演目公式ウェブサイト→ http://gilles-de-rais.jp/

劇中曲3曲を制作

 

2015年2月からロングラン公演中のアクション時代劇です。

戦国時代末期を舞台にした時代劇なんですが、とにかく殺陣アクションがすごい!

それもそのはずで、このジル・ド・レのアクションは、映画『KILL BILL vol.1』の振付・出演などで有名な剱伎衆かむゐhttp://www.k-kamui.jp/jp/homepage.php )のメンバーによる監修なんです。

映像とアクションのコラボレーションや芸術的な衣装もすばらしく、日本のエンターテイメントを代表する舞台といえると思っています。

 

初演から使っていただいている曲は、

「和太鼓とコラボする」
「お祭り」
「でも”和”過ぎないように」
「タップダンスのしやすいテンポ」

などリクエストが多くて、ものすごく制作が難航した思い出があります。

音楽監督でドラマーの刀根直仁氏とはよく言い争いになりました(?)が、それもいい思い出です(刀根さんとは今は大の仲良しです笑)。

 

劇中オリジナル曲もどんどん追加していく構想がありますので頑張ってまいります。

 

制作した劇中曲のうち2曲がお聞きいただけるPR動画が↓↓です。

 

 

 

2.『モデラート』

テーマ曲を制作

 

2015年12月に初演した、ラジオDJとその家族にまつわるドラマです。

80年代の邦楽ポップスのカバーを、バンドの生演奏で、ラジオに登場するリクエスト曲という設定で劇伴する豪華な舞台となっています。

そんなわけで、テーマ曲制作の際にはまず当時のバンドサウンドを目指すためにゴダイゴの『銀河鉄道999』の楽器編成やビート感を研究しました。

ボーカリストが男女1名ずついる、というのも活かすため、ハーモニー前提でサビのメロディと音域を最初から念頭に置いて作っていったのですが、結果として程よく印象に残る楽曲に仕上がったと思います。

 

 

 

3.『Doors』

テーマ曲と劇中曲1曲を制作

 

2016年4月に初演したコメディです。

基本は笑える作品なのですが、登場人物が力を合わせてゴールに向かっていく様子は感動ものでもあります。

エンディングで出演者が歌うアイドルソングの作詞作曲編曲を担当しましたが、往年のジャ〇ーズ系楽曲で好評を得ております。

おそらく普段は歌手活動をされていないであろうイケメン俳優のみなさんが歌って踊っている姿を観て、感動の涙を流していらっしゃったお客さんがいました。その感動に一役かえたと思ってすごくうれしかったです。

会場限定でCDも販売していただいております。

……この曲制作時はまだ頑張ってギターを弾いている時代で、苦労して編集した速弾きギターソロが劇場中に大音量で流れている瞬間が気に入っています笑。

また、劇中曲では、ゴーストライターが作曲したという設定の曲をゴーストライターとして作りました。ベートーベンのピアノソナタをイメージしたピアノ曲です。いつも通り素で作るとどうしてもポップで分かりやすい展開になってしまうので、簡単なメモ程度の譜面を書きながら頭(理論)も使って作った曲でした。


 

 

 

4.『Black NT01』

オープニング曲と劇中曲1曲を制作

 

2016年9月に初演した超絶アクション・アクロバット舞台です。

下のPR動画(担当したオープニング曲が使われています)でもお分かりのように、

「どんだけ回転するの?!」

という……。同じ人間とは思えません。

 

オープニング曲の声のサンプルは、自分の声です。舞台のテーマに沿った英語の文章を用意して録音、それをCelemony Melodyneで全選択してフォルマントのみ思いっきり下げる、という処理を施しました。手軽な操作で変な声になりました。

もう一つ、女性の声が入っていますが、こちらは劇場の店長に同じ英文を話してもらい、1単語ずつ波形をリバースさせています。

 

もう一つの劇中曲は、可愛い可愛い、そして可愛い、バイオリニストの小夜子@sayoko_vn )さんの登場シーンの曲です。

フリーのテープエフェクト系プラグイン・illformed Glitchを使ってウォウウォウいわせたダブステップ系楽曲ですが、このトラックがまた、バイオリンの奏でる優雅なメロディによく合います!かっこいい!そして可愛い!
2017年ゴールデンウィークに再演が決まっていますので是非。

http://yumemachi.jp/contents/schedule/112/


 

 

5.『モンブラン~黄昏のROUTE69~』

劇中曲1曲を作詞作曲

 

2016年10月に初演した、バンド生演奏が劇伴のお芝居です。

ギターボーカルで出演もされているゆりえ@0yurie0 )さんも1曲オリジナルを提供していますが、ずっと気になっている問題が……。

 

ぼくの曲は「これしかない!」という感じで、ブルーススタンダードの『ROUTE 66』をオマージュした曲です。それはもう、演目名にも入っていることですし、ぼくの曲のタイトルは『ROUTE69』で決まりですよね。

一方ゆりえさんの曲も……サビで思いっきり「ROUTE69!」を連呼しています。この曲のタイトルも『ROUTE69』以外には考えられません。

どうしましょう。

 

この演目、他の劇中曲はすべて洋楽ロックのカバーとなっています。ストーリーに合わせて、高校時代にはまっていたバンドの曲を選ぶ作業も楽しかったです。

 

 

 

6.『θρύλος -スリロス-』

劇中曲3曲を制作

 

2016年11月に初演した、ギリシャ神話モチーフのパフォーマンスショー。

この楽曲制作中はとにかくスケジュールがきつかった思い出があります。

まずひたすらSpectrasonics Omnisphereでショーのイメージに合いそうなプリセット音色を探して立ち上げ、何重にも重ねて、インスピレーション一発で組み上げた感じでした。鏡餅方式と呼んでいます。

本番ではドラム、バイオリン、フルートという3つの生楽器をそれぞれフィーチャーするのですが、壮大な雰囲気を目指していたのでトラック単体で成立するものになりました。
こちらも2017年ゴールデンウィークに再演が決まっています。
ダンスのエキスパート(女性中心)が繰り広げる神秘的な世界観は必見です。

http://yumemachi.jp/contents/schedule/120/

 

 

 

7.『MONSTER』

劇中曲全編を制作

 

こちらも2017年ゴールデンウィークに再演が決まっていまして、しかも、

ぼくが出演します

!!笑!!!笑!!(演奏だけです。踊ったりはしません。)

特別扱いしたいのでまた改めて記事にしたいと思いますが、またブログ更新が滞るといけないので告知だけ先にしておきます……。

ぼくの音楽活動の、ひとつの集大成といえるものですので、ぜひみなさんの目と耳と体で体験していただけましたら嬉しいです!

http://yumemachi.jp/contents/schedule/102/


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