・マイクと歌い手の口は一直線に。
それではいよいよ、実際に録音するエンジニアリングの部分を考えていきます。
その前に、DAWソフトウェアの操作やオーディオインターフェースの設定に苦労されるかもしれませんが、そこは取扱説明書を確認したり、各機種やメーカーの情報をあつめたりしてなんとか頑張りましょう。
いざレコーディングするぞ!という段階にきたという想定で、まずはマイクをセッティングします。
マイクセッティング時およびマイクにまつわるレコーディング中の注意点は以下の通りです。
□ マイクの高さ
□ マイクとポップガードの距離
□ 録音中はマイクから顔をそらさない!
□ 録音中はポップガードやマイクスタンドに体が触れないように!
ひとつずつ注意点とともに解説してまいります。
マイクの高さ
高さはだいたい口の位置に合わせてから、微調整していくことになります。
画像をごらんください。汚い横顔で失礼いたします。

多くの場合、マイクはメーカーロゴが入っている方が前面です。
前面が顔の方を向くようにしてから、マイクの上部のラインを鼻の頭の高さに合わせます。
マイクのサイズにもよりますが、だいたいこれで高さはOKでしょう。
要は、マイクの網のなかに入っている音を感知するパーツが、まっすぐ口の方を向くようにします。
ボーカル用のマイクには、指向性といって、狙っている方向以外の音はうまく録れないという性質がありますので、口からでた声をまっすぐ拾うようにします。
マイクとポップガードの距離
ポップガードはアームを遠慮なく曲げて、狙った位置にくるようにします。
マイクとポップガードの距離は、曲のジャンルや、どういう質感の歌を録りたいかによって変わってきます。
今回は基本的かつ失敗の少ないセッティング位置をご紹介します。画像をごらんください。汚い手で失礼いたします。

このように、手のこぶし一個分を目安にマイクとポップガードを離してセッティングします。
「こぶし1個分」は人によって違うでしょうが、人類である以上は許容範囲内の誤差でしょうから問題ありません。
「こぶし1個分」のほかに「指3本分」などと主張する人もいます。まあたいして変わりませんよね。とりあえずなんらかの基準を決めておいて、そこから好みによってどう変えていくか、把握できれば良いのだと思います。
このくらいの距離を空けておけば、程よい距離感や空気感を得つつ、万が一の息の拭きかけもまあ防げるでしょうし、子音がきつくなりすぎないように録れるかと思います。
まずはこのセッティングから、経験をつんでいくにしたがって、好みの距離を探っていくのが良いと思います。
録音中はマイクから顔をそらさない!
そして、歌っている間も、この「まっすぐ」をくずさないように注意しましょう。
よくありそうなのが、手に持った歌詞カードなどを見ながら歌っている場合に、歌詞カード側に顔が向いてしまうという状況です。
録音される音質や距離感が大きく変わってしまいますので、歌詞カードの位置に気を付けるなり、目だけで追っていくなり、気を配っていただきたいと思います。
録音中はポップガードやマイクスタンドに体が触れないように!
マイクを購入すると、スタンドにマイクを装着するためのブラケット(マイク取り付け部品)がついてくると思います。
そのブラケットの中には、ヘアゴムのような部品が入っていて衝撃がマイクに伝わらないようにするものもあります。
逆にいえば、そういう製品があるくらい、衝撃がマイクに伝わってしまうことはNGということでしょう。
レコーディング中はスタンドやポップガードに触れないように注意しましょう。
ここまで来たらあとは録音するだけ、ですね。次回は実際のレコーディングのすすめ方についてお話します。
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