有名シンセの前に要チェック!無料プラグイン:Native Instruments「Analog Dreams」の魅力

有名シンセの前に要チェック!無料プラグイン:Native Instruments「Analog Dreams」の魅力

気付けば年始恒例となっていた「1年間の振り返り」もしなくなってしまいました。年度末だしまだ大丈夫ですかね。

 

今回はここ最近、数ある有名シンセ音源プラグインを差し置いて主戦力となっている、無償でつかえるシンセ音源プラグイン:Native Instruments社の「Analog Dreams」について語ってみたいと思います。

 

|| 無償でも信頼のNative Instruments社製

Omnisphere、Avenger、Serum、Massiveなどなど、有名なシンセ音源はたいへん良いものですが、「音色数が多すぎて選ぶのに時間がかかる」「ジャンル的傾向が顕著なものがあり使いづらい時がある」「値段が高い」などの難点もあります。

「Analog Dreams」はNative Instrumets社製品の代名詞的シリーズ「Komplete」の無償バンドル「Komplete Start」に含まれているアナログシンセ音源です。音質の良さはブランドパワーでもはや疑うに及ばず、操作性もさすが数々の名音源を手掛けているNI社といったところです。老若男女問わず、とりあえず一度試していただきたい。

 

|| Analog Dreamsが向いている人・ジャンル

世の中の音楽クリエイターのうち、50%程度の人はテクノやEDMやエレクトロニカなどの「シンセ率100%前後、シンセ音源なんてなんぼあってもいいですからね」みたいな方々かと思います。

残りの50%の人は「シンセサウンドを追い込む情熱はそこまでないけど、自分の作品にちょっと『あのシンセの音』を入れたい」というような方々ではないでしょうか。

つまりデジタル系の音楽をやっている人にとっては「そこにシンセ音源があるから」という理由で当然所有するべきものとして、そうでない人にとっても必要十分最低条件的な感じでまず所有すると良いでしょう、という音源。それが「Analog Dreams」だといえます。

個人的にはバンドサウンド主体の楽曲でちょっとしたシンセが必要な時に重宝します。空間演出のためのパッドやワンポイントのリード系、メロディ補強のシンセベルなどがスピーディに取り入れられます。例えばOmnisphereで同じことをしようと思うとついつい全く使わないような音色もチェックすることになり余計な時間を食うことになりますが、Analog Dreamsではそれがありません。やはり制限の中でしか創作ははかどらないということでしょう。

 

|| 定番シンセ音色が必要なら第一候補

『あのシンセの音』、つまり『定番なシンセの音』が必要という場合、大容量ライブラリをかかえる有名シンセ音源には「今は必要ない音色」も多くリストアップされているため音色決定までに時間がかかってしまいがちです。

その点「Analog Dreams」は「そう思いましてあらかじめ定番サウンドに絞っておきました!」と言わんばかりにスッキリしたリスト構成になっています。楽曲完成までの時短になること間違いなしです。

Analog Dreamsには「Analog Dreams」「Analog Dreams2.0」という2種類のプラグインがあり、どちらも「Bass」「FX」「Leads」「Pads」「Plucks」の5グループのプリセット群それぞれに10~20のプリセットがあります。

「Analog Dreams」と「Analog Dreams2.0」それぞれに5タイプ/10~20のプリセット

 

|| 2つの音色を混ぜて音作りする分かりやすい構造

Analog Dreamsは「A」「B」という2基のオシレーター?サンプラー?があり、その2つの混ぜ具合を調整して音作りをするという仕組みになっています。

プリセット音色ではこのABの組み合わせやバランスなどがあらかじめセッティングされているということです。

もちろんABそれぞれに読み込む音色を任意に選ぶこともできます。この読み込み元となる「基本の音色」はおよそ150種類程度。そしてこの「基本サウンド」がまた、「そうそう、これこれ。こういうのでいいんだよ。」みたいな定番シンセサウンドになっています。分かりやすい。素晴らしい。スッキリしている。

「A」「B」2つの基本音色を選んで、画像左下隅のブレンドツマミでバランス調整します

 

|| 音色エディットも必要十分

AB2つの音色をレイヤーするという基礎的な方法以外にも、さらに音色を作り込むためのパラーメータも完備しております(Analog Dreams2.0のみ)。シンセ非ガチ勢にとってもフィルターやアンプエンベロープくらいは調整したくなりますからね。シンセサイザー入門としても最適なプラグインと言えます。

ここまでしてくれたらもう言うことはありません

 

|| 今日から即戦力!

ということで人類すべてにおすすめできる無料シンセ音源プラグイン・Analog Dreamsをご紹介しました。

Serum2も発表されてシンセ関係の物欲も高まりがちな今日この頃。有名シンセを買う前にまずAnalog Dreamsを試してみてはいかがでしょうか。

ちなみにわが家もSerum2にしましたが、仕事内容がバンド系つづきでまだ一度も立ち上げていません!その間このAnalog Dreamsは20基ほど立ち上げています。おすすめです!


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